三線の続け方~独学か教室通いかは楽しみ方次第

ブログをスタートしたものの、さっそく更新の間隔を開けてしまいました。
確定申告前の時期に始めたのがいけなかったようで(汗)、ようやく一段落しましたので再開してまいります。

前回は「三線に触れてみよう」というところから入りましたので、少しその先のお話をさせていただきますね。

三線を体験してみて「これはいいな」と思ったら、ぜひ続けてみましょう。
どんなふうに続けていくかは色々あって、楽しみ方次第で考えると良いでしょう。

楽しみ方はさまざまです

独学で楽しむ、教室で習う、サークルで楽しむ、などなど、三線を楽しみ続けていくにはいくつかの方法があります。それぞれ違いがありますので、目標設定によって選んでみると良いですね。
「目標設定」というと大袈裟ですが、要は「三線でどんなことができるようになりたいか?」ということです。例えば、、

  • ビギンの曲が弾けるようになりたい
  • 友人の結婚式で「海の声」を披露したい
  • 沖縄の民謡に親しみたい
  • ネーネーズが大好きだから
  • 大勢で演奏してみたい
  • 家族に聴いてもらいたい
  • 一人で楽しみたい
  • 人前で演奏できるようになりたい
  • コンクールを受けたい
  • 三線の先生になりたい
  • プロになりたい

等々。
どうなりたいか?というのはもちろん十人十色。三線に魅かれたきっかけとリンクしていることもあるでしょう。また、続けていくうちに変化していくかもしれません。

ちょっと変わった楽しみ方としては、「三線を酒の肴にしている友人がいる」と知人から聞いたことがあります。
その方は数十万円で八重山黒木の三線を購入されたらしいのですが、演奏するために購入されたワケではないとのこと。その楽しみ方とは、八重山黒木の美しい棹を眺めては酒を酌み、女弦をテンと鳴らしてみては盃を傾け、そして大粒な鱗の皮が張られた胴をなでてるんだそうです。演奏はしたこともないし、する気もないんですって。正に酒の肴といいますか、観賞用というべきでしょうか。
本当にいろんな楽しみ方があるんですね。

それはさておき、ここでは演奏して楽しもうという方に向けて書いていきます。

独学でいけるか

沖縄のポップスをやりたい、自由に楽しみたい、自分だけで楽しみたい、ということでしたら、独学で十分楽しんでいけると思います。
教則本やレッスンDVD等が無数にでていますし、youtubeでもレッスン風に編集された映像が山のようにあります。音楽経験がある方や器用な方でしたら、独学である程度できるようになっちゃうでしょうね。

ただ、練習するにはまともに音を出して歌える環境の確保が必要だと思います。マンションや密集した住宅地だと近隣から苦情が来ることもあり得ますから。
自宅練習のために三線の音量を抑える器具もありますが、音の強弱がわかりにくくなるので、実際の演奏時に戸惑うことも出てきます。
人前で演奏するなら、カラオケボックスや個人用のスタジオを借りたりして、実際の音色や歌声を確認しておくと良いですね。

教室(研究所)で習う

とにかく上手に演奏できるようになりたいというのであれば、やはりきちんとした先生について習うのが一番の近道ですね。とくに民謡や古典をきちんとやりたいなら教室通いは必須だと思います。

古典や民謡の中でステップアップしていく場合、通常はどこかの流派に属して修得していきます。「コンクール」という段位試験のようなものがあって、その先に教師免許、さらには師範免許があります。全てその流派の偉い先生達に審査、採点され、合格しないと次のステップに進めません。歌い方や発声、弾き方等その流派の「型」というべきものがあって、その「型」に則って忠実に修得していないと合格していくことができないんです。
もちろん、流派や免許等にとらわれることなく独自に極めて活躍されているプロの方もいらっしゃいますので、究極を言うと自由で良いのですが。

しかし、「必然があってその“型”がある」と私の師匠の松山先生は言われます。例えば、空手にも型があって、有段者に素人が敵うわけがないですね。有段者は最も効果的で無駄のない防御と攻撃のノウハウを修得しているからです、それが「型」ですよね。
三線もそれと同じで、「型」を修得していくことが最も無駄なく効果的で一番の近道だと思います。とくに私のように音楽経験がない者にとっては、道標にもなってくれます。

松山先生の場合、10代の頃からギターに親しんだこともあって三線を始めて1年ほどでライブをこなすようになったようです。しかし、国吉源次先生との出会いでその歌はガラリと変わり、型の必然に気付いたそうです。
ちなみに私の場合、カルチャースクール→三線サークルを経て松山先生に師事していますが、それまでの過程で身に付いてしまったクセとかおかしな部分は矯正されました(苦笑)

では、どんな教室にすれば良いか?

始めたばかりでよくわからなければ、流派とかにはあまりこだわらなくて良いように思います。その教室の先生と合いそうか、受講料はリーズナブルか、通いやすいか(続けるにはけっこう重要です)、曜日や時間帯はどうか、などご自身のスタイルに合う教室に行ってみると良いのでは?
いずれ自分のやりたいことが出てくればその時あらためて考えれば良いと思います。

しかし、「コンクールを受けよう」とか、「八重山民謡をやりたい」、「古典をやってみたい」といったように、ご自身のやりたいことがはっきりしている方は、その教室なり研究所が目的に適っているか確認しておく方が良いと思います。
「本当は琉球民謡をやりたかったのに、気付くと習っていた教室は古典(安冨祖流)の研究所だった」という方を知っています。その方は結局そのままそこで研鑽を重ね、安冨祖流でコンクールも受験して合格されていましたが。

源次先生の奥様である佳子先生から言われたのは「まずは一つのことをやりきることが大事。そうすれば自ずと他もできるようになる。」ということ。
ぶれずにやり続けることで基礎が身につき、地力が上っていくのでしょうね。
先ほどの安冨祖流の方が歌う「つぃんだら節」(八重山民謡)を聴いたことがありますが、とても味のある素晴らしいものでした。

沖縄の中には20以上の流派や組織があります。すごいですね。
流派については機会をあらためて書くことにしますね。

サークルという手もあります

サークルでしたら、仲間うちでお互いの演奏を聴きあったり一緒に演奏したりすることで楽しめますし、1人でやるより上達も早まるかもしれません。私も2年ほど三線サークルで活動しました。
通常は教室に通うよりも会費が安いことが多いです。自分よりうまい先輩がいて教えてくれたりもします。きちんとした教室で修得されてきた方がいて教えてもらえたらラッキーですよね。

中には何かと言いたがりの先輩もいますが、自己流でやってきた人も多くて、必ずしも正しいことを教えてくれるとは限りません(苦笑)
その人の歌や演奏を実際に聴けたり経験がわかれば判断材料になるんですが。。
しかしまぁ、ストレートにそんなことを確認するとカドが立ちますから、上達を第一義に考えるなら、寄り道せずに自分にあった教室を探す方が幸せになれるでしょうね。

サークルについては、始めて間もない段階で楽しみながら覚えていきたい、あるいはご自身のスタイルが確立されていて楽しめる場がほしい、という方に向いているのではないかなと思います。

「本気で上達したいなら教室へ」というような流れで書いてきましたが、近くに三線教室がないという方も少なくないと思います。
私と同じころに三線を始めた友人のKさんは、通える範囲に良い三線教室がないため、普段は黙々と自主練に励み、年に1~2回沖縄に行って師事する先生の指導を受け、それに基づきまた練習して、ということを続けています。
私の師匠も同じようなことを10年以上続けていますね。自主練で壁にぶち当たり、もがいた末に沖縄の師匠から見出した答えは絶対に忘れないとのことです。

三線を楽しもうという方ですから、沖縄に行く機会もあると思います。
そのような機会を使っていくのも良い方法ですよね。
最後までお読みいただきありがとうございましt!